立命館大学アート・リサーチセンター
文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業
京都における工芸文化の総合的研究(立命館大学・木立研究室)

京友禅着物プロジェクトについて

2013年夏ごろから2014年春までの約半年間をかけ、手描き友禅と型友禅の着物・着尺(反物)を制作しました。
手描き友禅・型友禅の各工程について実際に制作現場に赴き、動画の撮影や、職人さんへのインタビュー調査をおこなっています。

デザインにあたっては、日本美術コレクターとして知られるエツコ&ジョー・プライスご夫妻から、コレクション画像の使用の許可を得ました。
京都を代表する絵師のひとりである伊藤若冲の作品《雪芦鴛鴦図》を手描き友禅に、同じく若冲画《葡萄図》を型友禅に使用しました。
さらに立命館の「R」の地紋の入ったオリジナル白生地も制作。新規の織物データを紋屋さんに作成していただき、丹後での製織・精練を行っています。
その後は手描き友禅は下絵から糊置、挿し友禅、蒸し水元、箔押し、刺繍。型友禅は図案、型彫、型染、とそれぞれの職人さんが腕を振るいました。
(*刺繍のみ、制作日程の都合上調査ができませんでした)


プロジェクトの概要・制作工程については、下記の資料もご覧ください。
「京友禅・分業の現在と未来」(PDF)

th_京友禅ができるまで

・「京友禅ができるまで(PDF)

th_京友禅ができるまで

国際シンポジウム・シリーズ「つたえる力 2」 
工芸研究とデジタル・ヒューマニティーズ

2105年2月22日(日) 13:00~17:00
立命館大学衣笠キャンパス 末川記念会館 講義室
入場料無料・事前申込み不要

主催:文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業
「京都における工芸文化の総合的研究」(立命館大学)、
立命館大学アート・リサーチセンター
共催:立命館大学文学部京都専攻
後援:PARASOPHIA京都国際現代芸術祭
協力:ZONE きものデザイン研究所

立命館大学アート・リサーチセンター 「活動報告」
http://www.arc.ritsumei.ac.jp/lib/app/news/pc/000234.html

立命館大学アート・リサーチセンター「これまでの活動内容」
http://www.arc.ritsumei.ac.jp/lib/app/news/pc/kougei-p/

シンポジウム「つたえる力 ―京都の伝統工芸―」

2014年10月13日(月) 10:00~17:30
立命館大学朱雀キャンパス1階多目的室
入場料無料・事前申込み不要

主催:文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業
「京都における工芸文化の総合的研究」(立命館大学)、
立命館大学アート・リサーチセンター
協力:ZONE きものデザイン研究所
http://www.arc.ritsumei.ac.jp/lib/JURC/activity/sympo/post-7.html

展覧会「分業から協業へー大学が、若冲と京の伝統を未来に繋げるー」に
ご来場いただきありがとうございました

展覧会「分業から協業へー大学が、若冲と京の伝統を未来に繋げるー」が無事終了いたしました

おかげをもちまして、1日目は900人超のお客様に、2日目はあいにくの雨降りにもかかわらず800人超にご来場いただきました。
この短期間の開催に、ギャラリートークごとにお運びいただいた方もいらしたようです。ありがとうございました。

今回展示した着物は、10月13日に開催予定のシンポジウムでも再度展示の予定です。
詳細決定しましたらお知らせいたします。

末尾になりましたが開催にご協力いただいた皆様、またご来場いただいた皆様、本当にありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。

・立命館大学 京都近代染織資料データベースプロジェクト
http://www.dh-jac.net/db15/yuzen2013/?page_id=27

・イメージ映像(Youtubeのサイトへ)
http://youtu.be/Gy3Zwt2VNpI

展覧会「分業から協業へー大学が、若冲と京の伝統を未来に繋げるー」
多数のメディアでご紹介いただきました

2014年7月12日~13日に開催しました、展覧会「分業から協業へー大学が、若冲と京の伝統を未来に繋げるー」ですが、
会期中さまざまなメディアから取材を受けました。下記にご紹介させていただきます。

読売新聞(7月13日朝刊)
烏丸経済新聞(7月14日発行)  http://karasuma.keizai.biz/headline/photo/2108/
染織新報(7月26日発刊)
池坊ウェブサイト (2014年7月18日更新) http://www.ikenobo.jp/info/2522/

分業から協業へ・大学が、若冲と京の伝統工芸を未来に繋げる



【ごあいさつ】

 長い歴史と高い技術力を誇る京都の「伝統工芸」。その特徴のひとつに「分業」という制作スタイルがあります。細かく分かれた製作過程それぞれに独立した専門の職人がおり、各工程でレベルの高い仕事を行うことでより良い形で完成できるのです。しかし、職人の高齢化や売り上げの不振などにより、「分業」のスタイルを含めた従来のモノづくりの方法を継続することは現在困難になりつつあります。

 立命館大学文学部木立研究室では、こうした伝統工芸の現状の記録と、伝統工芸のあたらしい形を模索されている職人さんたちの取り組みを応援するため、いくつかのコラボレーション企画を実施してきました。2013年度には、エツコ&ジョー・プライスご夫妻のご協力を得て、伊藤若冲作品をもとに京友禅の着物をZONEきものデザイン研究所と協力して制作しました。さらに華道家元池坊のご協力を得、「伝統」の継承と新たな創造を目指す本展の趣旨を作品をで表現していただきました。

 大学という異分子が加わることにより、職人たちがそれぞれに仕事を行う「分業」から、ともに力をあわせさらなる発展をとげる「協業」へと進化する。伝統工芸を未来へ繋げる私たちのチャレンジをご覧ください。

2014年7月12日 文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業
「京都における工芸文化の総合的研究」(立命館大学)
木立雅朗・鈴木桂子・山本真紗子

 

【なぜ、このような展示を企画したのか? 】

木立雅朗

友禅業界の苦しみ
 調査を進めてゆくうちに、その余力が極めて小さいことを知らされました。売り上げの減少や職人の高齢化問題など、問題は山積です。若手職人の育成が進んでいない現状を見る限り、あと10年もしないうちに、今の技術レベルを維持することができなくなるでしょう。マーケッティング不足による販売低迷、後継者育成のシステムの欠如、古い流通のシステムなど、現在のアパレル産業からすれば、考えられないほど古い体質が温存されています。
 私たちが調べた限りでは、様々な努力が続けられているにもかかわらず、現状を打開できるような、明るい話題はほとんど見つけることができませんでした。豊かな遺産を有効に活用することなど、とても無理ではないかと、強い危機感と虚無感を抱くようになりました。

光明
 しかし、近年になって新しい兆しも見えてきました。現代社会に適応したもの作りを目指す集団、ZONEきものデザイン研究所が現れたのです。彼らは消費者目線にたったマーケッティングを本格的に行い、職人の技術を最大限にひき出そうとしていました。
 「分業から協業へ」は職人育成のための彼らの合い言葉です。この言葉は分業を否定しているのではなく、むしろ、その逆の意味で使われています。従来の分業のよい部分を引き継ぎつつ、職人を守り育成する意味を込めたものです。 彼らZONEは優れた物作り集団であり、着物業界を再生できる唯一のメーカーと呼べるTEAMではないでしょうか。

友禅着物を作る-ともに挑戦することで見えたこと
 この小さな光明がさらに大きく膨らんでいることを祈りつつ、私たちは彼らとともに着物を製作し、その工程を調査・記録しました。  その調査によって、私たちは「分業」の未来を見ることができました。優れたプロデューサーの指揮下であれば、分業された職人たちの技術は極めて大きなものになります。多くの職人による分業は、まさに「技術の掛け算」でした。 分業が足かせになっているという評価もありますが、それは責任あるもの作りを行う体制に問題があるためだと考えられます。

姿の見える「もの作り」
 こうした分業の実体は、消費者には十分に伝えられてきませんでした。誇るべき彼らの姿を明示し、どのような技法で製作されたものか、責任をもって示す必要があります。残念ながら、現在の京都の染織産業では、伝統的な技法を用いたことを明示する「商標」や「ブランド」が確立していません。東京友禅や加賀友禅に比べて、製品の製法明示と品質保証は不明確ですが、「京都ブランド」に助けられて、多くの関係者はそこに問題があることすら気付いていないようです。
 伝統的な技法による友禅染は、このままでは他産地の製品や機械化された製品と区別できなくなり、将来的には信用を失うでしょう。

繋ぐ・活かす・伝える
 今回の試みを通じて、友禅染がもっている可能性を改めて感じることができました。それは伝統工芸と分業がもつ、時代を越えた魅力にほかなりません。しかし、その魅力が朽ち果てようとしていることも、ひしひしと感じました。「よいもの」だからといっても、なにも変えなければ、朽ち果ててしまいます。私たちは、こうした可能性を次世代に繋くことができるでしょうか?
 今回の展示は、そうした危機感と「それでも、まだこれだけのもの作りができる」という喜びの双方がないまぜになった「いま現在の京都」を映し出そうとしたものです。

「見るだけで満足する」人たち
 今回のメインとなっている友禅の展示は「伝統工芸を楽しもう。」とある方の一言をきっかけに心を改めた延長の行動です。  楽しくないもの、現代社会に受け入れられないものは、衰退し滅びる運命にあります。伝統工芸が本当に「すばらしいもの」ならば、必ず楽しめるはずです。もし、かりに楽しめないとすれば、なにか問題があるのでしょう。私たちは楽しみながら、そのことを確認しています。
 今回、皆さんにみて頂いた着物が、皆さんに楽しんで頂けないようなものであれば、友禅はもう終わっているのだと思います。魅力を失って失われてゆく文化遺産ということになります。けれども、そうでないならば、私たちはまだまだ楽しめるはずです。皆さんにみて頂き、ご判断頂きたいと思います。


【分業から協業へ・大学が、若冲と京の伝統工芸を未来に繋げる】

この度、ジョー・プライス氏より同氏のコレクションである伊藤若冲のデザイン使用等の認定を受け、
その作品やZONEコンセプト、そしてこれからのカタチを立命館大学と共に発表することとなりました。

私たちが考える新しい京友禅の世界に触れていただければ幸いです。

また、華道家元池坊の次期家元でもあります、池坊由紀様のご協力のもと展覧会に
若冲をイメージした作品を添えて頂くこととなっています。

【日時】
2014年 7月12日(土)・13日(日)
10時~19時30分


分業から協業へ
ー大学が、若冲と京の伝統工芸を未来に繋げるー

【場所】
京都文化博物館 別館ホール
(旧 日本銀行京都支店 重要文化財)
〒604-8183 京都市中京区三条高倉623-1

入場無料

【主催】
文部科学省選定 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業
「京都における工芸文化の総合的研究」(立命館大学)、
立命館大学アート・リサーチセンター、
立命館大学文学部木立研究室

【共催】
ZONE きものデザイン研究所(プロデューサー:伊藤剛史)
立命館大学文学部 京都学専攻
[URL] www.zone-kimono.com

【協力】
華道家元 池坊、立命館大学映像学部 細井研究室、
株式会社山本合金製作所、株式会社丸二、 有限会社鷲野染工、
UVaerSCREEN、 エツコ&ジョー・プライス
[生け花]髙津倫子(華道家元 池坊 京都支部)、
立命館大学 IKEBANA サークル

【問い合わせ先】
立命館大学アート・リサーチセンター
[住所]〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1
[電話]075-466-3411(代表)※平日 9:30-17:30
[URL] www.arc.ritsumei.ac.jp/

皆様のお越しお待ちしております。